肩が重い、首から肩にかけて張る、マッサージをしてもまた気になってくる。このような肩こりに悩んでいませんか。肩こりの原因にはさまざまなものがあり、睡眠、ストレス、目の疲れ、運動不足などが関係することもあります。その中でも、首・肩・背中まわりの筋肉の緊張が、肩こりと関係している可能性があります。
筋肉の緊張は、特別な運動や作業だけで起こるものではありません。たとえば、スマホを見る姿勢、かばんを持つ方向、寒いときに肩をすくめるクセなど、毎日の何気ない習慣が積み重なることもあります。
この記事では、意外と見落としやすい生活のクセを、セルフチェック形式で紹介します。診断ではなく、今の生活を見直すきっかけとしてご覧ください。
肩こりセルフチェックで生活習慣を確認しましょう
肩こりにつながりやすい習慣チェックリスト
まずは、当てはまる項目を確認してみましょう。
□ いつも同じ方向からテレビを見たり、会話をしている
□ スマホをついつい長く見てしまう
□ 仕事中、気づくと顔がパソコンに近づいている
□ かばんを持つ方向が決まっている
□ 寒いのが苦手で、首をすくめてしまう
□ 緊張で身構えてしまうことが多い
□ 肩や肩甲骨を大きく動かす機会が少ない
3つ以上当てはまる方は、日常生活のクセが首や肩まわりの筋肉の緊張に関係している可能性があります。
5つ以上当てはまる方は、複数の習慣が重なって肩への負担が増えているかもしれません。
ただし、このセルフチェックは診断ではありません。
肩こりの原因を決めつけるものではなく、生活習慣を見直す目安として活用してください。
筋肉の緊張による肩こりとは?
首・肩・背中の筋肉は毎日働いています
肩こりは、首・肩・背中まわりの筋肉の緊張やこわばりと関係することがあります。
首や肩まわりの筋肉は、重たい頭や腕を支えるために、日常的に働いています。
たとえば、頭が前に出る姿勢、同じ姿勢を続ける時間、肩に力が入る状態が長くなると、筋肉に負担がかかりやすくなります。
また、筋肉が動く機会が少ないと、こわばりや重だるさにつながることもあります。
肩こり対策では、正しい姿勢を完璧に保つことだけを目指すより、同じ姿勢を続けないことが大切です。
肩こりにつながりやすい意外な習慣
1. 同じ方向を見るクセがある

リビングでいつも同じ場所に座り、テレビを少し斜めから見ていませんか。家族との会話でも、いつも同じ方向を向いているという方も多いと思います。
体を正面に向けたまま首だけ横を向けている姿勢でも、短時間であれば大きな負担になりにくいでしょう。しかし、毎日の習慣になると、首や肩の筋肉に偏った負担がかかることがあります。
見直しポイントは、たまに席替えしてみること、出来るだけ相手に体の正面を向けることです。他にもテレビの位置や椅子の向きを調整する、30分に1回は姿勢を変えるなど、小さな工夫から始めてみましょう。
2. スマホをついつい長く見てしまう

スマホによる肩こりと聞くと、「スマホ時間を減らしましょう」と言われることがあります。ただ、現実的には難しい方も多いのではないでしょうか。
スマホは連絡手段であり、情報収集の道具であり、そして息抜きやストレス解消にもなっています。無理にスマホを我慢してストレスが増えると、かえって肩に力が入り、筋肉の緊張につながることも考えられます。
大切なのは、スマホを完全にやめることではありません。首や肩に負担がかかりにくい見方に変えることです。
スマホを見るときは、自然と目線が下がり、頭が前に出やすくなります。頭が前に出る姿勢が続くと、首や肩まわりの筋肉が頭を支えるために働き続けることになります。
見直すポイントとしては、画面をできるだけ目線の高さに近づける、肘をクッションや机で支える、長く見るときは途中で肩を回すなどがおすすめです。また、スマホを見終わったあとに深呼吸し、肩をすくめてストンと落とすと、肩の力を抜く感覚をつかみやすくなります。
「スマホを減らす」よりも、「スマホのあとに肩の力を抜く」方が、現実的に続けやすい対策です。
3. パソコン中に顔が画面へ近づく

デスクワークによる肩こりで悩む方の中には、パソコン作業中、気づくと顔が画面に近づいている方が少なくありません。
画面に顔を近づける姿勢は、頭が前に出やすくなります。頭が前に出ると首の後ろから肩にかけての筋肉に負担がかかり、さらに、背中が丸まり、肩が前に入る姿勢にもつながりやすくなります。
デスクワーク後に首や肩が重くなる方は、作業中の姿勢を確認してみましょう。
見直しポイントとして、モニターを顔を近づけなくても見やすい位置に置くことが大切です。近視や老眼でボヤけてしまうなら、顔を近づけるのではなく、表示倍率や文字サイズを調整しましょう。
また、30分に1回は立ち上がり、肩を後ろに回したり、胸を開くように伸びをしたりすると、同じ負担を続けにくくなります。
4. かばんを持つ方向が決まっている

かばんを持つ手や、肩にかける側がいつも決まっている方は多いです。
トートバッグやショルダーバッグを同じ側で持ち続けると、片側の肩や首まわりに負担がかかりやすくなります。また、バッグがずり落ちないように、無意識に肩を少し上げるクセが出ることもあります。荷物が多い方は、肩への負担を見直すことも大切です。
見直しポイントは、左右交互に持ち替える、荷物を減らす、リュックを使う、肩ひもの長さを調整することです。
肩への食い込みや圧迫感が気になる方は、かばん用の圧力軽減ベルトを活用する方法もあります。かばんの重さそのものをなくすことは難しくても、肩への食い込みや圧迫感を軽減しやすく、負担を分散しやすい選択肢として考えられます。
かばんの肩への負担が気になる方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶ かばんの肩への負担を減らす圧力軽減ベルトについてはこちら
5. 寒さで首や肩をすくめてしまう

寒さを感じると、無意識に首や肩をすくめやすくなります。冷房の効いた室内や冬場に、肩に力が入りやすい方もいます。
肩をすくめた姿勢が続くと、首から肩にかけての筋肉が緊張しやすくなることがあります。たとえば、首元が冷えやすい服装や、冷房の風が直接当たる環境では、知らないうちに肩に力が入っているかもしれません。
見直しポイントは、首元や肩まわりを冷やしすぎないことです。薄手の羽織り、ストール、ネックウォーマー、タオルなどを使い、冷房の風が直接当たらない位置に移動するのもよいでしょう。
寒いと感じたときは、肩を下げる意識を持つことも大切です。
6. 緊張で身構えることが多い

仕事、家事、人間関係、急いでいるときなど、緊張やストレスで体に力が入ってしまうことは自然なことです。しかし、身構えるような姿勢が長く続くと肩に疲れが残ってしまいます。
奥歯を噛みしめる、呼吸が浅くなる、肩が上がるなどの状態も起こりやすいです。この状態が続くと、首・肩まわりの筋肉が休みにくくなることがあります。
真面目で頑張りすぎる方ほど、肩の力が抜けにくい場合もあります。
見直しポイントのひとつは、意識をすることです。忙しいときほど、時おり意識して肩の力を抜くようにしてみましょう。「力を入れないようにしなければ」と考えすぎるより、一度肩をすくめてからストンと落とす、深呼吸をしながら肩を下げるなど、数秒だけの工夫が取り入れやすいです。
7. 肩甲骨を大きく動かす機会が少ない

現代の生活では、腕や肩を大きく動かす機会が少なくなりやすいです。デスクワーク、スマホ、家事、車移動では、肩甲骨まわりの動きが小さくなりがちです。肩甲骨まわりの動きが少ないと、首や肩まわりの筋肉がこわばりやすくなることがあります。
肩こり対策では、肩だけを揉むことにこだわらず、肩甲骨まわりを無理なく動かすことも大切です。たとえば、肩を後ろに回す、胸を開く、両腕を上げて伸びをする、肩甲骨を寄せるように軽く動かすなどがあります。
気を付ける点として、痛むなら無理をしないことです。痛みを我慢して行う必要はありません。無理のない範囲で、毎日少しずつ行いましょう。
セルフチェックの結果をどう見る?
0〜2個の方
0〜2個の方は、生活習慣による肩への負担は比較的少ないかもしれません。
ただし、肩こりを感じている場合は、睡眠、ストレス、目の疲れ、運動不足など、他の要因が関係している可能性もあります。
チェックが少ないからといって、つらさを我慢する必要はありません。
気になる状態が続く場合は、生活全体を振り返ることも大切です。
3〜4個の方
3〜4個の方は、日常生活の中に、肩まわりの筋肉を緊張させやすい習慣がある可能性があります。
まずは、当てはまった項目から1つだけ見直してみましょう。
全部を一気に変えようとすると、続けることが負担になる場合があります。
たとえば、スマホのあとに肩を下げる、かばんを反対側に持つなど、毎日続いている習慣を1つ変える方が現実的です。
5個以上の方
5個以上の方は、肩こりにつながりやすい習慣が複数重なっている可能性があります。
同じ姿勢、前かがみ、肩に力が入る、肩甲骨を動かさない習慣が重なると、肩への負担が増えやすくなります。
セルフケアだけでつらさが続く場合は、体の状態を確認しながら、姿勢や筋肉の使い方を見直すことも大切です。
無理に自己判断を続けず、相談の目安として考えてみてください。
肩こり対策は完璧な姿勢より同じ負担を続けないこと
生活の中で小さく動かすことが大切です
肩こり対策というと、正しい姿勢を保とうとしがちです。
しかし、どれだけ良い姿勢でも、長時間同じ状態が続くと筋肉は疲れやすくなります。
大切なのは、同じ姿勢、同じ方向、同じ負担を続けないことです。
こまめに姿勢を変えるだけでも、肩への負担を分散しやすくなります。
たとえば、30分に1回立つ、座る位置を変える、肩を回す、深呼吸をするなどです。
完璧を目指すより、生活の中でできる小さな工夫を続けることが、肩こりにつながりやすい習慣の見直しになります。
自宅でできる簡単セルフケア
肩を後ろに回す

両肩をゆっくり後ろに回します。
肩だけを動かすのではなく、肩甲骨が一緒に動くイメージで行うとよいでしょう。
5〜10回程度、無理のない範囲で行います。
強く大きく回そうとする必要はありません。
デスクワークの合間やスマホを見たあとに取り入れると、同じ姿勢を続けにくくなります。
痛みや違和感がある場合は中止してください。
胸を開くストレッチ

両手を後ろで軽く組み、胸を開くようにします。
スマホやパソコン作業で前かがみになりやすい方に取り入れやすいセルフケアです。
痛みが出るほど強く伸ばさず、気持ちよく呼吸できる範囲で行いましょう。
頑張って伸ばすことより、肩や胸まわりに力が入りすぎていないかを感じることが大切です。
肩をすくめてストンと落とす

両肩を耳に近づけるようにすくめ、そのあと力を抜いてストンと落とします。
肩に力が入りやすい方は、力を抜く感覚をつかみにくいことがあります。
あえて一度力を入れてから抜くことで、肩が下がる感覚に気づきやすくなります。
仕事や家事の合間にも行えて、緊張しやすい方のセルフケアとして取り入れやすい方法です。
注意が必要な肩こり
早めに医療機関へ相談したい症状
肩こりの多くは、姿勢や筋肉の緊張、生活習慣と関係することがあります。
ただし、すべての肩こりが同じ原因とは限りません。
次のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
・強い痛みがある
・腕や手にしびれがある
・力が入りにくい
・頭痛やめまいを伴う
・胸の痛みや息苦しさがある
・転倒や事故のあとから痛みが出た
・安静にしていても痛みが強い
無理にセルフケアを続けるより、原因を確認することが大切です。
当院でできるサポート
姿勢や筋肉の使い方を一緒に確認します
筋肉の緊張による肩こりは、日常生活のクセや姿勢、体の使い方が関係していることがあります。
当院では、首・肩・背中まわりの状態を確認し、筋肉の緊張、関節の動き、姿勢のクセなどを見ながら、必要に応じて、体の状態に合わせた施術やセルフケアのアドバイスを行います。
「マッサージしてもすぐ戻る」
「肩こりの原因が分からない」
「自分の生活習慣のどこを見直せばよいか知りたい」
このような方は、ご相談ください。
生活習慣の小さなクセを見直すことで、肩への負担を減らしやすくなることがあります。
まとめ
肩こりの原因は毎日の習慣が関係していることがあります
筋肉の緊張による肩こりは、毎日の何気ない習慣が関係していることがあります。
同じ方向を見る、スマホを長く見る、パソコン中に顔が前に出る、かばんを同じ側で持つ、寒さで肩をすくめる、緊張で身構える、肩甲骨を動かさないなどの習慣は、肩への負担につながる可能性があります。
肩こり対策は、完璧な姿勢を目指すことではなく、同じ負担を続けないことが大切です。
まずは、セルフチェックで当てはまった項目から1つだけ見直してみましょう。
つらさが続く場合や不安な症状がある場合は、無理をせず専門家や医療機関へ相談してください。